なふの備忘録

140字じゃおさまらないの

自分のことをどうも可愛いと思えないやつがミスコンに出た理由

おはこんばんにちは。なふです。

アンケートの最初の方では需要ないと思ってたミスコンの話が1位になってたので、

とりあえずこの話からします。

以下、注意事項です。

 

  • 亡くなった方の話をしますので、ナイーブな話が苦手な方、影響を受けやすい方はご遠慮ください
  • LGBTQ+系統の話も絡みますので、このような話題に触れたくない方はご遠慮ください
  • ここで出てくる方が誰か言及、詮索するような投稿はお控えください。このような投稿が散見された場合は即刻非公開にいたします。
  • なるべく人物が特定できないようになるべくぼやかしますが、この話を知っている方で、この表現では特定できるのではないかと思われた方は大変申し訳ないのですがご指摘いただけますと幸いです。即刻非公開にし、対応いたします。

 

以上、よろしくお願いいたします。

 

 

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学部3年の時でした。

ある日いつも通りスマホをぽちぽちしてるとミスコン事務局からDMが届きました。

 

「なふさんがXさんよりミスコンに推薦されました。

参加されますか。

連絡をください。」

 

とりあえず、びっくり。

まさか推薦されるとなんかこれぽっちも思っていませんでしたし、

第一こんな顔のやつがミスコンに出ていいのかとなりました。

最初は友達と話し、目立ちたくないしやめておこうという気持ちになっていましたが、

ふと『なふちゃんは可愛いからミスコン出れるよ!』とあの子の事を思い出しました。

 

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まだ、僕が川内で授業を受けていた時期、

学部学科問わず見かけたら挨拶する程度の知り合いが結構いました。

その中の1人で目がくりくりで可愛いなぁと思っていた子がいました。

(Xちゃんの次に登場したのでとりあえずYちゃんにする)

Yちゃんにはコンプレックスがあったようで初めて話した時は

すごーーーーーーーーーーく緊張していましたが、

当時、僕も同じようなコンプレックスがあったので逆にYちゃんのも気にならず、

普通に話していたら見かけるたびに笑顔で話しかけてくれるようになりました。

 

 

Yちゃんは『私は全然可愛くないから......おしゃれ難しい......』

的なことをよく言っていましたが、

そろそろ青葉山での授業が中心になるかなぁというような時期には、

Yちゃんに似合うメイクをしてYちゃんのスタイルにぴったりのワンピースを着て

眩しい笑顔が映える可愛さマシマシの子になっていました。

『なふちゃんかわいいよ。ミスコン出られるよ!』なんて言ってくれましたが、

当の僕は、「Yちゃんも可愛いよ!」と返して気を悪くされるのも

喜んで調子乗ってると思われるのも怖くて、

ただ「そんなことないよwwかわいくないよww」と返すだけの愚かな人間でした。

なんとなく、他人から可愛いって言われるのが怖かったのです。

 

 

川内での授業がなくなり、Yちゃんや他のよっ友と会う機会も減り、

ほとんど接点がなくなりました。

僕は単位に、サークルに、バイトに追われ慌ただしい日々を過ごし、

よく話すのも、同じ学科やサークルの友達が多くなりました。

(まぁ、多分みんなこんなもんよね)

そんなある日、Yちゃんとの共通の友人から連絡がありました。

「Yちゃんが亡くなった......」

 

 

 

 

知り合いが亡くなるのが初めてだったので頭が真っ白になりました。

その友人も混乱していたので、とりあえず会って話そうとなりました。

亡くなった日のこととか経緯とか全部話し、友人の方が落ち着いてきた頃、

「Yちゃんね男だったんだよ......」

と友人が教えてくれました。

 

 

なんかもう訳のわからない感情でいっぱいになりました。

可愛いワンピースに身を包みとびっきりの笑顔のYちゃんとの直接した最後の会話が

『なふちゃん可愛いからミスコン出れるよ!』

だったのを思い出し、恥ずかしいやら悔しいやら、自分の情けなさでいっぱいでした。

僕は、誰かが死ぬのを止めることはできないと思っているし、

ましてや、亡くなってしまった後に「あの時こうしてあげればよかった」

なんて烏滸がましいことは思っていません。

けれど、Yちゃんが僕のとは比べ物にならないくらい

それをコンプレックスだと思ってたんだなとか、

あんなに似合うメイクをどのくらい練習したんだろうとか、

きっと(女性よりも)がっしりしてしまう体型をカバーする服装の研究に

どれほど時間をかけたんだろうとか、

なんかそういうのを全部含めて悔しかったです。

Yちゃんがどんどん可愛くなっているのに、

いつかのもう顔も思い出せない誰かのことを思い出して、

可愛いって伝えるのも、褒められたことを喜ぶのも自分で勝手に怖くなって、

Yちゃん自身の人柄とか優しさとか見ずに

「可愛い」の一言が言えなかった自分が愚かすぎて辛くなりました。

なにお前が辛くなってんだよって感じですが。

そうして、僕は、自分の弱さをただただ悔やんで、

過去に戻って何か言ったとしても変わらなかっただろうと思いながらも、

過去に戻って何か言いたいのも自己満足に過ぎないんだろうと思いながらも、

時々思い出しては、影を落とすこの出来事を胸にしまい、

また、単位たちに追われる日々を過ごしました。

 

 

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Yちゃんが言ってくれてたミスコンに推薦されました。

これはチャンスです。

自分に自信がなくて可愛いを喜べないのも、可愛いを伝えられないのも、

なんの努力もしてないのに他者からの可愛いを消費する自分になるのも、

全部嫌だ、全部変えたい。

僕は自信を持ってステージでみんなに、

可愛いは誰でも作れるし、僕はミスコン期間で可愛いを作ったんだ!

って証明してやる!

 

 

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とまぁ、こんな感じでミスコン出ることにしました。

頑張って遡って見つけてくれたらわかると思うけど、

最初から「ミスコン期間で可愛いを作るからその過程を楽しんで!」

って言ってたはずだし、その気持ちに嘘はなかったけど背景はこんな感じです。

 

いやぁ、そりゃまぁ、可愛くなかったので(というかなんもしてなかったので)

なんやこの眉毛ふざけてる奴って感じでしたけど、

なんとしてでも可愛いを作れるを証明したかったんです。

 

自信を持ってYちゃんに「可愛いからミスコン出ちゃった!」って伝えたいですね。

あとは、「遅くなっちゃったけどあの時のワンピース姿めっちゃ可愛かった」

って言いたいですね。

 

 

ずっと隠すには辛かったの自分語りしてごめんなさい。

きっと多分言えなかったことを赦して欲しいんでしょうね。わがままでごめんなさい。

僕がミスコンで頑張ったことが誰かの可愛いを作る糧になっていれば幸いです。

 

 

追記

実はミスコン後に、もう1人、僕が可愛くなるのを、自信をつけるのを手伝ってくれた子が

亡くなりました。

もう怖くてそれ以上のことは聞けてないです。

遠くに住んでるので直接会ってミスコンのお礼言えなかったこと、

メンタル不調になったせいで会いに行くチャンスを失ったことを

どうしようもなく後悔してます。

もしかしたら2人の人生にとって僕はただのモブAにしかすぎないのかもしれません。

2人とも僕のことなんか忘れてると嬉しいなとも思います。

でも、僕はとても弱いので、きっとまた同じように後悔することがあるのでしょう。

人間いつ死ぬか分からないので、言いたいことは、言える時に言おうね。